オーストリアの赤ワインといえば、冷涼でみられる高い酸としっかりしたタンニンを持つワインが特徴的です。今回紹介するブラウフレンキッシュもその一つ。オーストリアでは品種どうしの交配が活発に行われており、ブドウ品種「ツヴァイゲルト」の親品種でもある伝統的な品種です。LAWISHではオーストリアやハンガリーのワインが通なお客様に好評いただいており、馴染み深い品種の一つ。そんなブラウフレンキッシュについて解説します。
ブドウ品種はワインの味にどう関係する?

米や和牛にはいろんな品種があります。コシヒカリは美味しいお米の代名詞と言えるし、松坂牛や神戸牛は誰もが知っているブランド和牛ですよね。生き物には品種があり、食物として人間の口に入る場合、品種によって味わいが異なります。ワインはブドウから造られるので、ブドウ品種によってワインの味わいは異なるのです。
ワインを楽しむのに深いウンチクは必要ないと思いますが、美味しいと思えるワインに当たる確率を高めるには、自分が美味しいと思うワインの特徴を理解しておくことが重要です。ブドウ品種はワインの味わいに影響する大事な因子の一つなので、ここではブラウフレンキッシュ自体の大まかな知識だけでなく、自身が好きな/苦手なワインはどんな品種から造られるワインなのか、またブラウフレンキッシュから造られるワインと食事を楽しむにはどのような料理をペアリングするか、といった観点で目を通していただくことをおすすめします。
ブラウフレンキッシュとは –オーストリアの伝統的な赤ワイン用ブドウ品種
ブラウフレンキッシュは、オーストリアを代表する伝統的な赤ワイン用品種です。名前の「ブラウ(Blau)」はドイツ語で青(藍色)を意味し、その名の通り、ワインは青みを帯びた濃い黒色調を呈します。高い酸としっかりとしたタンニン、複雑な香味を持ち、長期熟成にも耐える力強さが魅力です。
ブラウフレンキッシュの起源
ブラウフレンキッシュは、中央ヨーロッパ原産の黒ブドウ品種です。ブラウフレンキッシュが文献に登場するのは18世紀半ばですが、起源はさらに古く、8世紀にはすでに存在していたとも言われています。当時、西ヨーロッパの大部分を支配していたフランク王国では、質の高いブドウに「フレンキッシュ(=フランク王国の)」という名が与えられていたとされ、ブラウフレンキッシュは「フランク王国お墨付きの黒ブドウ」とも言える存在です。
遺伝的には、ブラウアー・ツィメートトラウベ(Blauer Zimmettraube)とヴァイサー・ホイニッシュ(Weißer Heunisch)の交配品種とされており、オーストリアのブドウ研究の中核を担ってきました。
ブラウフレンキッシュの栽培と特徴
ブラウフレンキッシュは芽吹きが早く、晩熟型の品種です。十分な日照と、強風から守られる環境が必要ですが、酸性からアルカリ性まで幅広い土壌に適応し、土壌の個性を明確にワインに反映します。
オーストリア国内では、
- 栽培面積:約3,009ha
- 生産量:国内全体の約6.5%
主な産地は
- ブルゲンランド州(最大の生産地)
- ニーダーエスタライヒ州・カルヌントゥム
特にブルゲンランド州のミッテルブルゲンラントは、
暖かい石灰粘土質土壌の個性が際立つ産地で、
「ブラウフレンキッシュ・ラント」と呼ばれるほど、この品種の代表的な地域です。
ブラウフレンキッシュから造られるワインの特徴
ブラウフレンキッシュから造られるワインは、
- ブラックベリー
- チェリー
- カシス
- リコリス
- ブラックペッパー
- スミレ
といった果実・スパイス・フローラルが重なる複雑な香りが特徴です。
若いうちは酸とタンニンが前面に出て、やや粗さを感じることもありますが、
熟成を経ることでヴェルヴェットのように滑らかなテクスチャーへと変化します。
ストラクチャーが緻密で、力強く、長期熟成のポテンシャルを持つ赤ワインを生み出す品種です。
スタイルは、
- 軽快でフレッシュな果実主体のタイプ
- タンニンがしっかりしたフルボディで熟成向きのタイプ
まで幅広く、栽培地や醸造方法によって多彩な表情を見せます。
ブラウフレンキッシュと料理のペアリング – 和食や中華と相性抜群!
高い酸とタンニンを持つブラウフレンキッシュは、肉料理との相性が抜群です。
おすすめの料理
- 牛肉のグリル、ステーキ
- ラムチョップ、ローストラム
- 鹿肉や鴨などのジビエ
- 赤ワイン煮込み
- スパイスを効かせた肉料理
熟成したタイプであれば、
- 熟成チーズ
- キノコ料理
とも好相性を見せます。
番外編
ブラウフレンキッシュはシノニム(別名)が非常に多い品種
- ケークフランコシュ(ハンガリー)
- レンベルガー/リンバーガー(ドイツ・アメリカ)
- フランコウカ(クロアチア)
- モドラ・フランキニャ(スロヴェニア)
日本を含む新興産地では「レンベルガー」の名称が使われることが多いようです。
オーストリアの新交配品種の生みの親
- ツヴァイゲルト
- ブラウブルガー
- レースラー
- ラタイ
などの親品種としても重要な役割を果たしています。「ツヴァイゲルト」の生みの親であるツヴァイゲルト博士によってこうした品種の開発が行われており、ツヴァイゲルト博士の影響力もうかがえます。
LAWISHおすすめワイン
ブラウフレンキッシュ ブルゲンラント 2021 / Silvia Heinrich
オーストリアワインの名門、ハインリッヒが手がける逸品。オーストリアの伝統的な赤ワイン品種「ブラウフレンキッシュ」を使用。ブラックチェリーやダークベリーの果実味に、ミネラル感が寄り添い、後半にかけてコーヒー、タバコ、ほのかなスパイスのニュアンスが現れます。口当たりはしなやかで、タンニンはきめ細かく、果実のふくらみと酸が美しく調和したエレガントなスタイル。ナチュラルワインでありながら、構造が明確で料理との相性も抜群です。
ブラウフレンキッシュから造られたワインの閲覧・購入方法

LAWISHのオンラインショップでは、オーストリアだけでなく東ヨーロッパや南フランスの通なワインから日常飲みのブラウフレンキッシュまで、厳選して取り扱っています。ぜひこの機会にご利用ください。
オンラインショップには掲載していない、とっておきの裏メニューワインをお楽しみになりたい方は、LAWISH Conciergeをご利用ください。
https://lawish.jp/services/lawish-concierge/
