ワインを飲む人であれば一度は耳にしたことがある「自然派ワイン」。オーガニックワインのこと?有機栽培で造られたブドウ?なんか胡散臭い、などなかなかその実態について知る方は少ないかもしれません。自然派ワインとは何か、またよくある疑問について解説します。
1. 自然派ワインとは
自然派ワインとは、極力人の手を介さず造ったワインの総称を指します。ヴァンナチュールとも呼ばれます。フランス以外の国では自然派ワインを定義する法令がありません。オーガニック認証など、公的機関の認証を取得しているワインもありますが、自然派ワイン自体に認証制度があるわけではないため、自然派ワインであるかどうかを見極めるにはワインショップやワイナリーの公式サイトなどでそのワインの造り方を知るしかありません。このことが自然派ワインを理解し、お店で買うワインとのつながりを分かりにくくしています。
2. 自然派ワインの特徴
自然派ワインを飲む時の印象ともいえる特徴をご紹介します。自然派ワインといっても様々な種類があるため、全ての自然派ワインに当てはまるわけではありません。
味わい・外観など
発泡や濁りがみられる場合がある
無ろ過で瓶詰めされた場合、酵母が生きている状態が続くため、瓶の中で酵母がはたらき二酸化炭素を出すため発泡していることがあります。特にオレンジワインやペットナット(自然派のスパークリングワイン)ではよく見られる現象です。また、無ろ過や無清澄のまま瓶詰された場合、うっすら濁りがあることも。見た目だけでなく、このことが味わいにまろやかさや複雑さを与える要素にもなっています。
ブドウそのものの味を感じやすい
醸造時に添加物を極力使わないため、ブドウ本来の果実味を残しているものが多いです。よく「ブドウの顔が見える」と表現されることもあり、ブドウジュースのようなナチュラルさを持っています。
口当たりが優しい傾向がある
自然派ワインの醸造時、通常のワインで使われる添加物(味を安定させ整えるための酸やタンニン、清澄剤など)が極力/まったく使わないことが多いため、人工的な”角”が取れたようなやわらかな口当たりになる傾向があります。発酵や瓶詰めの時も同じように、市販の酵母を使わずブドウや醸造所に住みつく野生酵母で発酵を行うことで、ゆっくりしたスピードで低温で発酵が進むため、ワインの風味や酸の角をやわらかくします。瓶詰めの際にろ過や清澄を行わないことで、発酵後のワインに含まれる多様な微細成分が残り、舌触りのなめらかさや奥行きのある味わいになります。
独特の土っぽさ、野生っぽさ、ツンとする香りを感じることがある
発酵時に自然酵母のはたらきを活かしたり、添加物を極力加えないことで、酵母や微生物が活発に働くため、ヨーグルトや乳酸菌のようなツンとする香りがあることがあります。
その他特徴
ヴィンテージやロットごとの個性が強い
人の手を極力加えないということは、ブドウの栽培を取り巻く土壌や気候などの条件、また発酵時の様々な種類の酵母のはたらきなど、変化のある自然がワインの出来上がりを左右するということ。非自然派ワインと比較してヴィンテージやロットごとに個性が出やすいため、同じ造り手のワインでも年ごとに香りや味わいの違いを楽しめます。
3. 自然派ワインに関するよくある疑問
悪酔いや二日酔いしにくい?

「自然派ワインは二日酔いしにくい」とよく言われますが、科学的に明確に証明された根拠は未だありません。ただし、一般的なワインに比べて科学的に「身体への負担が少ない可能性がある」ことから、悪酔いや二日酔いの軽減につながっていることが考えられます。酸化防止剤として添加される亜硫酸塩(SO2)に敏感な人は、二日酔いの症状に似た頭痛や倦怠感を感じやすいようですが、亜硫酸塩の添加量が少ない/全くない傾向にある自然派ワインはその程度が軽減されるようです。酸化防止剤以外の添加物については、症状が出なくても身体が処理しなければならない異物であるため、添加物の少ない自然派ワインは身体にとっての負担が軽いことから、アルコールの代謝に集中でき酔いが残りづらいとも考えられます。
自然派ワインは美味しくない?

「自然派ワインはまずい」という俗説を聞くことがあります。答えとしては、一部のワインにおいて、濁りや発酵由来の個性的な香りが好みに合わない場合、または品質管理ができていない可能性があげられます。まず、酵母や微生物の働きを自然のままに任せている場合は発酵由来のヨーグルトっぽい香りや獣っぽい香りが残ることがあり、その独特な香りが変に感じられることがあります。また非自然派ワインに慣れていると、人工的な酸・渋み・甘味の補正がされていない自然派ワインを「味がまとまっていない=美味しくない」と感じるかもしれません。次に、自然のはたらきを過度に放置して造られたワインは、雑菌の混入や発酵の制御不足などにより、酸化や揮発酸、異臭といった品質劣化が起こり本当に美味しくないものもあります。品質管理が不十分なワインを外見だけで見極めることは難しいため、色々な自然派ワインを試してみて好きな造り手を見つけるしかないでしょう。
自然派ワインを飲むのは地球に優しい?

有機農業と同じで賛否両論ある話題ではありますが、個々の自然派ワインは非自然派ワインに比べて地球環境にかける負荷が少ないと考えられます。ブドウの栽培時に有機農法(オーガニック)やビオディナミ農法を採用する自然派ワインでは、農薬や化学肥料を使わず土壌や周囲の生態系を守りながらブドウを育てています。人口的に合成した化学物質由来の農薬や化学肥料を使わないことは資源の持続可能性を高め、また結果的に、地下水や土壌の汚染を減らすことにつながります。
また、ブドウの栽培やワインの醸造時に手作業で工程を行うことで、機械を動かしたり洗浄するためのエネルギー・水消費量やCO2排出量を抑えることにつながります。その他にもブドウ畑と周囲の生態系との共存を大切にした栽培は生物多様性の保全につながりますし、地元の伝統や気候に根差した造り方をする生産者は地域経済や文化の持続にも貢献しているともいえます。
3. 自然派ワインの特徴を感じられるおすすめワイン
LAWISHで扱うワインのうち、自然環境に配慮したワイン造りを行っている生産者のワインをご紹介します。
ハーザ ペット ナット ロゼ 2022
手摘み収穫、野生酵母による自然発酵、瓶内二次発酵、無ろ過製造といった、自然の力を活かしたワイン造りを行っています。優しい泡が特徴で、ベリーのようなワインの色味と風味が感じられます。
グリューナー ヴェルトリーナー ヴァインフィアテル DAC 2023
国際的にも信頼性が高いオーストリアのオーガニック認証であるABGを取得。ラベルの個性的でかわいいデザインは、ワインの中にいる微生物を表現しているそうで、ブドウや微生物の持つ力を尊重し最大限にワインに活かすような哲学が伝わってくるようです。オーストリアの代表品種でもあるグリューナー・ヴェルトリーナーは天ぷらなどの和食にも相性抜群。
フォエミネ ピノグリージョ 2023
イタリア・アブルッツォ州マジェッラ国立公園内に位置するビオディナミ農法のワイナリーFabulasが手がけるオレンジワイン。地元のカモミールやスラ(地域固有の植物)の花粉由来の自然酵母を使用しています。ワインとラベルはこの土地を舞台に巻き起こった様々なストーリーを反映させたものとするなど、土地の歴史や文化を大事にしています。
ドメーニレ サハティーニ ラ ヴィ シラー 2021
実はワインの名門生産国でもあるルーマニアのシラー。2019年から始めた有機栽培や夜間の手摘み収穫、野生マロラクティック発酵といった、テロワールを最大限に活かしたワイン造りをしています。シラーの持つ豊かなアロマとスパイス感を楽しめる、エレガントで奥深いルーマニアワイン。
ツヴァイゲルト セレクション オーガニック 2021
オーストリアワイン大使から「オーストリアNo.1のツヴァイゲルト」と称賛され、上級キュヴェは大阪万博オーストリアパビリオンVIPルームにもオンリストされる実力派ワイン。EU有機農産物認定(BIO認証)を取得し、「オーガニックへの取り組み」と「自然の恵みを尊重する喜び」がボトルに凝縮されています。
LAWISHのオンラインショップ
LAWISHのオンラインショップでは、自然派ワイン以外にも気軽に楽しめるワインを厳選して取り扱っています。ぜひこの機会にご利用ください。

オンラインショップには掲載していない、とっておきの裏メニューワインをお楽しみになりたい方は、LAWISH Conciergeをご利用ください。
https://lawish.jp/services/lawish-concierge/